たまには好きな本のことでも語るかのう。
「
シャドー81」には、どんでん返しにびっくりして本を取り落とした思い出があるのじゃ。
戦場や冒険や空中や海上や、サスペンスはもちろん
人生の苦さやユーモアさえも兼ね備えた、大人味の大活劇なのじゃ。
これをエンタテインメントの最高傑作と言わずして何と呼ぼう。
最初から最後まで怒涛の展開が続くので、
本当に途中で止めるのが難しい。
中でも、ワケあって太平洋を船で行くくだりでは
まるで自分自身が大航海しているような気持ちになり
世間の雑事から解き放たれた至福のひとときを味わった。
しかし、わしはあえて途中で無理やり何度か中断し、
水面に浮かび上がって息を整えつつ、
この物語が読める幸せをしみじみ噛み締めたもんじゃ。
読み終わるのがもったいないのじゃが、
一刻も早く結末が知りたい。
そんな分裂した気分にさせてくれた数少ない作品の一つ。
この作品に関しては舞台やジャンルなどどうでもよろしい。
なんせ最高傑作である。
とにかくこれを読んでもらわんことには
面白い本の話なんかできっこねえのである。
どんな本なんだろう? と考えている間に
一刻も早く
シャドー81を読んで欲しいものじゃ。