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2008年1月3日木曜日

面白い物語創作講座 基礎編03 「葛藤」は「対立」じゃ!

●「葛藤」は「対立」じゃ!


ブンコ「えっと、面白い物語って例えばどんなの?」
ぴこ蔵「まず、その逆を考えてみようか。
    『誰も楽しめない話』があるとすれば、
    それは例えば、朝礼の時の校長先生の長話じゃ」
ブンコ「げっ、それ聞いただけでもう貧血気味だ!」
ぴこ蔵「退屈じゃからなー。サスペンスもないし、ロマンスもない。
    大体結論もわかっておるし、ギャグも言わん」
ブンコ「その上、お説教されるんだもんなー」
ぴこ蔵「この手の話と対極にあるのが「面白い物語」じゃな。
    ドキドキはらはら、次はどうなるの?
    あの人は誰のことを愛しているの?
    そんな一瞬たりとも気が抜けない話じゃ。
    手っ取り早く言ってしまえば、
    それは『ドラマチックなストーリー』のことじゃな」
ブンコ「ドラマチックって具体的にどういうこと?
    どうすればドラマチックになるのさ?」
   
ぴこ蔵「小説とかシナリオの書き方を解説した本を読むと、
    『ドラマとは葛藤である』と書いてあるのを
    お主もよく目にするはずじゃ。
    つまり、物語をドラマチックにするためには
    『葛藤』とやらを持ち込めばええのじゃ」
   
ブンコ「『葛藤』とか言われたって全然わかんないよー。
    画数の多い漢字を見ると、頭がぼやーっとしてくるんだよねー」
   
ぴこ蔵「そうか。するとお主、
    『主人公の成長や変化の過程における葛藤を書け!』
    なんて言われると頭がフリーズしてしまうじゃろな」
   
ブンコ「もうサイアクー!
    なんか葛藤って夏休みの朝顔観察っぽいよねー」
   
ぴこ蔵「いいところを突いたぞ!ちなみに辞書を引いてみると…
        ------------------------------------
    【葛藤(かっとう)】
     〔もつれ合う葛(かずら) や藤の意から〕
   
     (1) 人と人とが譲ることなく対立すること。争い。もつれ。
     (2) 〔心〕 心の中に相反する欲求が同時に起こり、
      そのどちらを選ぶか迷うこと。コンフリクト。
     (3) 禅宗で、解きがたい語句・公案、また問答工夫の意。   
     -------------------------------------
    まさしくもつれあうツルとツタのことじゃ。
    ありゃりゃ、禅問答まで出てきおったぞ。
    葛藤と言う概念はどうも抽象的で扱いにくいんじゃのう」
ブンコ「葛藤ってさー、意味ぐらいはわかるけど、
    視覚的にイメージしづらい言葉だよね。
    なーんか4畳半で一人ぐじぐじ反省するって感じだし」
ぴこ蔵「確かに葛藤のヴィジュアルはなかなか思いつかんなあ」
   
ブンコ「だいたい、主人公が葛藤する様子なんて
    どうやって描写すればいいのさ?
    髪の毛をかきむしりながら独り言でもゆーのか?
    口元をゆがめて手も少し震わせてやろーかなー。
    違うなー。そーゆーことでもないなー。
    ポーズかな? 
    腕を曲げて腰に当ててクイクイッと。
    そんな葛藤はやだなー。
   
    こりゃいかん。無理だ無理だ。
    あたしに主人公の葛藤なんて描けないよ。
    老師、またしても頭がぼやーっとしてきた」
ぴこ蔵「それは、一人で葛藤すると思うから難しいんじゃよ。
    心理描写しようなどと思ってはいかんぞ。
    ありゃつまらん。エンターテインメントで「内部の葛藤」は止めたほうがイイ。
    特に、映像化を考えておるのならおすすめできん。
    名手ならともかく、おぬしがやっても
    読者に迷惑かけるだけなのじゃ。
    こんな時、よいこは頭を使うのじゃ。例えば…
    人と人とが争う様子を書くのはイメージしやすいじゃろ?
    内面の葛藤も擬人化すればいいのじゃ
    誰か主人公が葛藤する相手を登場させればいい。
    考え方をこう変えてみるのじゃ!
   -------------------------------------------------------------------
   「ドラマとは主人公の葛藤から生まれる」
     
       ↓↓↓↓↓↓↓↓↓
   「ドラマとは主人公が他の登場人物と葛藤することで生まれる」
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ブンコ「うーん、まだ「葛藤」の意味がわかりにくいな」
   
ぴこ蔵「ならば、お主にもわかりやすい言葉に置き換えてみよう。
   
    それは辞書の中にも出てくる「対立」という言葉じゃ。
    すると、こうなる。
 
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       ↓↓↓↓↓↓↓↓↓
   「ドラマとは主人公が他の登場人物と対立することで生まれる
   
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ブンコ「なるほど! ってことはつまり、
    手っ取り早く話をドラマチックにしようと思ったら
    主人公を登場人物とケンカさせればいいわけだ。
    でも、ホントかなあ?」
ぴこ蔵「嘘だと思ったら、ちょっと小手調べに、
    うまく会話がはずまないところを
    思い切ってちょっとケンカ腰の会話にしてみるのじゃ」
ブンコ「どんな感じかやってみてよ」

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