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2008年1月3日木曜日

面白い物語創作講座 基礎編04 「対立」は物語のエンジン

●「対立」は物語のエンジン

ぴこ蔵「それでは『対立』の実例として
    「会社に遅刻したOLと上司との会話」を書いてみよう。
    ただし、ポイントとして
    『この会社では電車の事故で遅れた場合は証明書が必要』
    ということを絶対書かなければならないと決めておこう。
    ま、対立を避けて平穏に会話するとこんな感じじゃろう」
     ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
上司「おや、どうしたの? 遅刻?」
OL「すみません! ちょっと忘れ物して1本遅いのにしたら
   今度はその電車が事故で遅れてしまって…」
上司「30分ね。まあしょうがないよね。
   たまにはこんなこともあるさ」
OL「何か証明する書類とか提出したほうがいいですか?」
上司「事故のせいだし僕は別にいいんだけどさあ。
   ただ最近ちょっと管理の件で上がうるさくってね、
   ま、念のためってことで、
   悪いけど駅で証明書もらっといてよ」
OL「はい、わかりました。お昼休みに行ってきます。
   申し訳ありませんでした。以後気をつけますから」
上司「はいはい。よろしく」

     ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ブンコ「なんかこんな会話、別に書くほどのもんじゃないですよね」
ぴこ蔵「どうやってもこれ以上はふくらまないしな。
    そこで、軽くギャグ風に対立させるとこうなる」


     ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
上司「おい、遅刻してきて挨拶なしか?」
OL「だって電車の事故ですから」
上司「こっちは別に電車で来てくれって頼んだ覚えはないぞ」
OL「じゃあタクシー代、課長が出してくれるんですか?」
上司「そういうことを言ってるんじゃないだろ!」
OL「わかりましたよ。駅で証明書もらってくればいいんでしょ」
上司「なんだよお前、態度悪いぞ」
OL「お前なんて言わないで下さい。私は課長の奥様じゃないんです。
   まあ、奥様にはお前なんて言えないと思うけど」
上司「言ってるよ」
OL「あら、じゃあこないだの飲み会でセクハラしたこと
   奥さんにはまだバレてないんですねえ」
上司「あ、それは違うんだ。誤解、誤解なんだよ」
OL「フン」

     ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★




ぴこ蔵「ちょこっと対立させるだけでテンションが上がる。
    読者も「おや?」と集中するし、
    伝えたい情報の他に
    「次はどうなる?」の要素が入ってくる。
    つまり、
    いろんな情報が隠しやすいのじゃ」
ブンコ「情報を隠すってどういうこと?」
ぴこ蔵「例えばこの『駅で証明書をもらう』というのが
    重要な伏線だとする。
    ところが、この時点では
    読者にそのことを気づかせたくない。
    そんな時、
    OLと上司の関係に目を向けさせてしまえば
    読者の意識はそちらに流れてしまうのじゃ」
ブンコ「実例だとよくわかるねー。
    退屈になりそうな部分には「対立関係」を持ち込むと
    緊張感も出るしテンポもいいし。
    登場人物のキャラも立って
    ずいぶん面白く説明できちゃうんだなー…」
  
ぴこ蔵「ドラマとは
    主人公が他の登場人物と対立することで生まれる。
   
    さて、それでは主人公は、
    いったい誰と、何のために対立するのじゃろうか?
   
    実はそこには、お主の物語を一気に走り出させるための
    『物語のエンジン』が隠れているのじゃ!」
     
ブンコ「ドラマとは、
    主人公が他の登場人物と対立することで生まれる。
    …なるほどなー!」


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