●ドラマチックにする要素
ブンコ「ほんじゃーさー、どんな話ならドラマがあるの?」
ぴこ蔵「パチンコの話が出たんで、これを素材に使ってみるか。
実例(2)。こんなストーリーならどうかな?
★★実例(2)
パチンコ台には巨大な龍が描かれていた。
その両眼は主人公をにらみつけている。
『この台を攻略した者に全財産を遺す』という遺言に従って
自分を勘当した亡き父が遺したパチンコ台に立ち向かう主人公。
固唾を飲む一族郎党の前で公開勝負をする日の直前、
主人公は暴漢に襲われ手首を負傷する。
激痛に耐える主人公の前に現れたのは、
最大のライバルである実の兄だった。
兄は主人公と父親の確執を暴き、
お前にパチンコをする権利はないと言う。
思わず感情的になった主人公は
「たった10発の持ち玉で勝負する」という過酷なルールを
呑んでしまう。
勝負が始まり、傷はうずき、玉は減ってゆく。あと4発、3発。
痛む手にラスト2発の玉を握りしめた時、
昔、亡き父がよく歌っていた歌が店内に流れた。
その瞬間、
今は亡き父の思い出とともに一つの言葉が主人公の脳裏に甦った。
「画竜点睛」。
パチンコ台に描かれた巨大な龍。撃つ者をにらみつけるその両眼。
「そうか!わかったぞ!親父!」主人公は最後の気力を振り絞り、
痛む手首を極限まで回す。
そして2発の玉が目にも留まらぬ速さで一気に打ち出された!
ぴこ蔵「どうじゃな? ↑の例は?
急ごしらえなんで設定がいい加減なのは大目に見てくれ。
ビッグ錠&牛次郎みたいでいい感じじゃろ?(笑)」
ブンコ「少年漫画のオールドファンならうなずいてくれるかもよ。
でも確かに、前の話に比べると、
少しドラマチックな雰囲気になったよねー。
なぜ?」
ぴこ蔵「そこじゃ! そこが秘伝のテクニックじゃ!
誰もが簡単に作れる『物語のエンジン』があるのじゃ!」
ブンコ「えっ? すると師匠、ストーリーをドラマチックにするための
特効薬みたいなものがあるということすか?」
ぴこ蔵「その通り! いいか、よく聞くのじゃぞ。
物語を前に進めるには、2つの設定をする必要がある。
それは『目的』と『障害物』なのじゃ!」
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